【あなたにピッタリの鍼灸治療とは】鍼灸の流派をあえて3種類に分けてみた。自分好みの流派を探すためのヒントを分かりやすく解説します。

鍼灸治療、受けたことありますか?

あるいは現在進行形で、受けているでしょうか?

もしくは、これから興味があって受けようと考えていますか?

あるいは、鍼灸師を目指していたりして・・・。

今日お話しするのは、現在の鍼灸治療をあえて3つに分類する、というお話です。

鍼灸治療って、名前はよく聞くけど、実はほとんど知られていないんですよね。

鍼灸師の私としては、少しでも身近に鍼灸を感じていただきたいと思っています。

こんな人に読んでもらいたい

  • 鍼灸に興味がある
  • 鍼灸を受けているが、よく分からないので知りたい
  • 鍼灸師を目指している
  • 鍼灸を受けたことがあるが、全然良くなかった

あなたは、何派?

そもそも鍼灸治療は古代中国生まれ・・・というのは何となくご存知だと思います。

大きく分けると、日本に入ってきてから大きく3流派に分かれました。

  • 和風
  • 中華
  • 洋風

の三つです。

・・・オイオイ、ドレッシングの話じゃねえか?

とお思いの方もいらっしゃるとは思いますが、私個人としては一般の方に説明する時にこれほど的確な説明もないと思っています。

純和風

これは日本に鍼灸が伝わった後でのお話。

中国式のハリ治療も良いが、どうも日本人には合わないと感じる部分があるなあ・・・。

もともと中国大陸という広大な土地で、それこそ暑い寒い、湿気がある・乾燥している、海、山、平地・・・。

そこで生まれ育った色んな体質の人達が経験的に生み出してきた医術だし、島国の日本人には少し合わないかも。

ということで、日本で、日本の独自の発展を遂げた流派がありました。

いろんな日本人の名人たちがその名前を残して現代に語り継がれています。

たくさんいますが、人名+派ということで細かな流派名を挙げるとキリがなくなってしまいます。

なのでここでは、和式の鍼灸に共通する一般的な特徴だけ押さえておけば大丈夫でしょう。

  • 鍼管(しんかん)を用いる(→注意!鍼管を使うのは現在の日本ではほぼ全ての流派でやっているので、これだけでは純和風と区別できない)
  • 刺激が穏やか(ハリは小さく細い。場合によっては刺さないハリもある)
  • 全身のツボを用いる(腹痛には足のツボ、手のツボ等々)
  • 脈をみる(事が多い)
  • 舌の状態をみたり、おなかの状態をみたりする、場合がある

このような感じで大丈夫です。

ツボって、みんな使うんじゃないの?

という意見が聞こえそうですが、実際にツボを使っている流派は和式の鍼と中国式の鍼だけです。

ちなみに、洋の鍼ではツボといえばツボだけど、そんなんアリ?なツボを使用します。(阿是穴といいます。後述)

脈をみるというのは、両手の手首の脈を触って強さや速さを確認して、その日の体調を一定のルールで分類し、使うツボやハリの種類等を決めることです。

舌をみるのも同じような考え方ですが、この場合は舌の色や大きさ、舌の苔の具合等で決まります。

お腹はお腹の張り具合、温度、押して痛む場所はあるか等で決めていきます。

中国式でも同様なものを行いますが、和式のハリの方がやや細かく分類される印象ですね。

中国式

鍼灸の本場、中国のハリは、まさに特徴的!

ハリウッド映画等でたまに鍼灸の場面が出てきたりしますが、だいたい中国式のハリを使用しています。

ほとんど映らないので、映画では本当に中国式の治療方法を採用しているのかはよく分かりませんが・・・。

特徴は以下のようなものがあります。

  • 鍼管を使わない
  • 刺激強め(ハリが太くて長い事が多い。刺したハリを上下させたりして刺激を追加で入れることも多い)
  • 全身のツボを使う。若干和式とは考え方が違う。詳細は省略。
  • 脈をみる。これもやはり和式と少し考え方が違う。詳細は省略。
  • ハリに電気を流したりするが、ツボに電気を流しているという考え方で行う事が多い

北京にある医大(中国では大学病院の診察科目に外科、内科と続いて・・・鍼灸科がある!やはり浸透具合が違うなあ)で見学をしたことがあるのですが、使うハリが太くて長い!

五寸釘といったら言い過ぎですが、和式のハリで勉強してきた身分としてはそれくらいの衝撃でした。

また、刺激もかなり強め。刺さっているハリを上下したりくるくるねじったりして追加の刺激を入れることが多い。

好きな人にはたまらない、らしい・・・。

洋風

最後に西洋風のハリのご紹介。私の経験上、この流派でハリをしている先生は非常に多いです。

内容はだいたいこんな感じ。

  • 筋肉のコリを治療目標としている。なので自律神経とか内臓の調子に働きかける系の治療は苦手。
  • ツボは使わない。押して痛いところやコリに対してハリをする(阿是穴といって、押して反応があるところはツボだという考え方を採用している場合もある)
  • 鍼管は使う事が多い。ハリもさまざまな長さや太さを使うが、中国式よりは小さくて細いものを用いることが多い
  • 刺激はやや強いが先生の考え方によるところが大きい。コリにはたくさん刺した方がいいという意見もあるため。ハリの使用本数が多くなったりする。
  • ハリに電気を流したりするが、刺さっている筋肉をピクピク動かしてマッサージのような効果を出すため。

接骨院、整骨院ではほぼ100%洋風のハリ治療をしています。

理由はいくつかあるのですが、まずはハリがオプション扱いになっている事があげられます。

接骨院、整骨院ではマッサージのような施術をメインで受けることが多いです。その延長線上で考えると、

「肩がすごく凝っているので、ハリもしたほうがもっとほぐれますよ」

みたいな案内を受けることがしばしば。なのでオプション的な立ち位置であることが多いです。

また、勤務している先生達(鍼灸の免許がない先生もいます)も、共通言語としての筋肉のコリを考えるのであれば分かりやすいですしね。

結局、どれがいいの?

ドレッシングの話に戻りますが、あなたの好みはありますか?

それと似たようなイメージです。

ようするに、好みの問題による所が大きいです。

ただしそれでは身も蓋もありませんので、少し参考になるようなお話をします。

悩み(解決したいこと)を挙げてみよう

あなたの悩みは何でしょう?

東洋医学者としていろいろな方のお悩みを伺ってきましたが、大きく分けて二つに分類されるようです。

1.筋肉に関する悩み

→慢性的な肩こり、腰痛系。あとはそれをほぐして欲しいと思うような症状。

2.自律神経(っぽい)に関する悩み

→不眠、食欲不振、耳鳴り、めまい、動悸、などなど・・・。いわゆる「医学的に問題ない」と病院で診断されたけど、解決しない悩み系。

1に関しては西洋系が強いジャンルですが、その他の流派でも大丈夫です。

とくにぎっくり腰や寝違え系は和風・中国式(いわゆるツボを使うと)だと著効を示す場合があります。

2に関しては和風もしくは中国式が対応します。どちらが良いかは合う合わないの問題なので、実際に受けてみるのが一番です。

一般的には和式の方が刺激がソフト、中国式の方か刺激強いので、ご自身の刺激に対する感情(なるべくソフトなのがいいな等)を参考に考えてみても良いと思います

ちなみに、刺激は強ければよいという物でもありませんのでご注意を。

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