寒いと腰がつらくなるあなたへ(簡易診断付き)
寒くなってくると、腰がつらくなりませんか?
町を歩いているとこんな話がちらほら聞こえてきます。
寒くて腰がつらいなあ・・・
今年もぎっくり腰に気を付けなきゃ・・・
コルセットどこにしまったっけ・・・
そして「帰ってゆっくりお風呂につかろう」と・・・。
もしも・・・
もっと腰に良いこと、ありますよ! と言ったらどうですか?
「えー嘘っぱち!テレビで温めるのが一番だって言ってたもん!」
「実際温めると楽になるじゃーん!」
「じゃあどうするのが良いの?」
という声が聞こえてきそうですね。
はい、お答えいたします。
温める全能説
温めるのがベスト!
それ以外はせいぜいがマッサージに行ってほぐすくらい。
温めるのもマッサージも血行を良くして筋肉をほぐすのが目的!となっている方は非常に多いです。
我々治療家の中でもその神話は定説としてまかり通っている印象があります、が・・・
あえて私は聞きたい。
血行を良くして筋肉をほぐせば本当に腰のつらさ予防になるの?と。
実際に、寒くなってくるとぎっくり腰で悩む人は多い印象があります。
しかし気温が高い夏にもぎっくり腰で悩んでいる方は多いんです。
それはなぜか。
なぜなら、腰のつらさの原因は人それぞれだからです。(知ってました?それは失礼!)
何でもかんでも温めれば良いってものではありません。
なので「温めるのが正解な事もある」程度が正しいと思います。
困った時のそもそも論
そもそも腰のつらさとは何でしょう?
それはそれは壮大なお話になってしまいますが、ひとことで言うと、そもそも「腰のつらさは姿勢が悪いことも大きな原因である」ということです。
なのにいきなり血行の話や筋肉をほぐす話をしてみても本質にはたどり着けません。少し細かく言うと、
- 悪い姿勢が腰の筋肉の過剰な緊張を生む
- 過剰な緊張が続き、血行の悪さを生む
- 回復しにくい身体になってしまう
- 腰のつらさが続く
これくらいの論理でないと正しい道にはたどり着けないと思っています。
もっと細かく言えば、どうして姿勢が悪くなるの?等々も考える必要があります。
もうお分かりでしょうか。
血行が悪いとか、マッサージすればいいとかの話だけでは腰痛は語れないんですね。
その腰痛、大丈夫?
まず最初に考えないといけないのが、本当に腰痛なのかどうかです。
椎間板ヘルニアや骨折、がんの痛みということもあります。
痛くなったきっかけをしっかり考えましょう。
「いつもの腰痛だから」は黄色信号です。
私の親戚にも30代でぎっくり腰になり、「慢性的に腰痛があるから」と放置していたら、がんの背骨への転移のせいだったという方が二人いました。
まずは自発痛や夜間痛を除外する!
自発痛や夜間痛と呼ばれる痛み方があります。じっとしていても痛い、というやつですね。
実際に現場レベルでは
私「どんな時に痛いですか?」
患者さん「いつも痛いんです。じっとしていても痛いんです」
と答えられる方がほとんど・・・。
これでは全員が危険信号ということになってしまいます。
実は座っているのも、座るために全身でバランスをとっているので、全身の筋肉を使っています。(=じっとしていない)
なので、必ず「自分の一番楽な姿勢で横になっている時にも痛みはあるか」
を聞くようにしています。
それでも痛いという方はすぐに病院に行きましょう。
足がしびれる
次に足のしびれです。
腰椎椎間板ヘルニア等の際に足のしびれが出ることは多いです。
この場合も無理せず病院に行ったほうが良いと思います。
しかしヘルニアがあってもしびれの無い方はいますし、その逆もあります。
前述したような、夜間の寝ている間のしびれ等が重要なポイントの一つになってきます。
不安であれば病院での検査(できればMRIで)をおすすめします。
寒さで腰がつらくなるあなたへ(診断付き)
さて、前述の危険信号も該当しないと分かりました。
では、寒くなると腰がつらくなるのを治すにはどうすればよいか。
ずばり、正しい姿勢(と正しい身体の使い方)です。座っている姿勢はまっすぐでしょうか?
あ、そこのあなた!いま姿勢を治しましたね!
いつもより猫背がひどくなってましたよ!
そういうことです。これが簡易診断です。
この文章を読んでいただいているあなた。たった1000文字程度の文章を読む間に、疲れて猫背が悪化していませんでしたか?
これが簡易診断
わずか1000文字程度の読み物の間に、姿勢がぐにゃっと曲がってしまう、その姿勢と耐久性が問題なのです。(かもしれません)
悪い姿勢でいる時間と、良い姿勢でいる時間。どちらの方が長いでしょうか。
一日八時間のデスクワーク中に、良い姿勢の方が長い人を探すほうが大変かもしれません。
また、寒いからと言って身体をこわばらせたり、縮こまった姿勢をしていませんか?
そこに、普段からの姿勢の悪さ(と、良い姿勢をキープする筋力等の低さ)が加わると、腰痛が悪化しやすいのは当然かもしれませんね。
こればかりは、温めてもマッサージしても治りません。マッサージで姿勢が良くなるなら私も受けたいくらいです。
そのマッサージ(や整体)を受けた直後は良い姿勢になるが、帰る頃にはもう普段の姿勢に戻っていた、なんてのもよく聞く話です。
ちなみに、腰痛が出てきてしまったものに対しては、温めるのも一定の効果があると思います。
そればかりにならないよう、姿勢にも気を付けることをおすすめします。
まとめ
- 温めさえすれば良い、マッサージを受ければ良い、という考えは一度わきに置いて考えた方が良さそうなこと
- 何が原因かは人それぞれであるが、いわゆる腰痛には普段の姿勢が大きく関与していること
- 危険信号はきちんと除外すること
困った時には専門家の門を叩いてみるのも良いと思います。
寒さで身体が悲鳴を上げてしまう前に、良い対策が取れることを祈っています。
ちなみに・・・
- どんな専門家なら安心して相談しても良いのか?
- こんな病院は黄色信号?!
- 良い姿勢って何だ?
などについても別の機会でお話したいと思います。
それでは。